もしもピータードラッカーが木材市場を運営したら

ピータードラッカーは1909年11月にオーストリア・ウィーンで生まれた経営学者で、マネジメント研究の第一人者です。数多くの著書の中で最も有名な「マネジメント」は「経営の教科書」として世界中の企業経営者が愛読するほどであり、「民営化」や「知識労働者」など、現在の経済に関連する数々の言葉を生み出した人物です。欧米のみならず日本の経営者や経営学者にも多大な影響を与え、2005年にはピータードラッカーの思想全般と経営理論の継続と啓蒙、発展を図る学術団体「ドラッカー学会」が設立され、日本を代表する大手企業の創設者などが会員となっています。このピータードラッカーが木材市場の運営に関わったと仮定すると、現在の日本における木材市場の動向はどのようになっていたでしょうか。ピータードラッカーの明言・格言に「未来を語る前に、今の現実を知らなければならない。現実からしかスタートできないからである」と言う一言があります。現在の木材市場が直面している大きな問題として、その原資となる森林の「枯渇」があります。世界の木材需要のおよそ半分は燃料としての利用ですが、地球温暖化や人口増加などにより原生林の減少には著しいものがあり、資源そのものが不足していることから、木材市場の現況は芳しくありません。この状態から脱却するためには「植林」で森林面積を増やすことですが、これが正にピータードラッカーの言う「現実からしかスタートできない」ことではないでしょうか。技術の革新や需要の拡大を図る前に、まずはその事業の根幹をなす足元を充実させないことにはスタートすらできません。そのためピータードラッカーが木材市場を運営したら、まずは「原資の充実と拡大」から取り組むと予想されます。現在のビジネスシーンにおいて「マネジメント」という言葉を使わないことは想像さえもできません。現実を把握し基礎を固めることで、その上の組織が成り立ち、それを構成する人々の生活を支えることに繋がるとピータードラッカーは訴えているのです。