日中木材貿易の問題点について(2019・令和元年)

 

長く低迷が続いていた日本の林業ですが、木材の輸出量が増えて明るい未来が見えています。
2017年度の木材の輸出状況をチェックしてみると、前年と比較して3割以上も増加していることがわかります。
2012年よりも前には100億円ほどの輸出額が、現在では300億円以上になっています。
輸出の約4割が中国向けで、これからさらに輸出量が伸びると予測されます。
中国向けの木材輸出が増えた理由は主に2つあります。
中国では天然林の商業伐採が禁止され木材不足が続いています。
中国の企業が高品質の日本の木材を買い付けに来るのは自然な流れです。
国際市場を見てみると、環境保護の規制が強化されたこともあり北米の木材は値上がりしています。
世界の木材価格が高騰する中、日本の木材は価格が安定しているのでアジアの国にとっては魅力があります。
ネットショップが増えたことで包装資材が人気を集めています。
日本の材木は品質がよく安いため、安心して購入することができます。
農水省の統計を見てみると、特に好調なのが九州です。
九州地区の木材輸出は2017年までの5年間で7倍になっています。
好調な日本の輸出を支えているのは中国で、2018年1月から4月までの期間を見るとシェアは7割まで上がります。
九州から輸出された原木の8割は杉材です。
北半球の温帯に分布する杉は、家具によく使われています。
中国の建築法規では日本の杉材の使用が許可されていませんでしたが、法が改正されて2018年8月からは杉が使えます。
杉は成長するのに20年ほどかかりますが、日本は計画的に造林したことで成熟林が多く十分な供給量があります。
好調な日中木材貿易ですが、問題点もあります。
加工賃は安いものの、輸送コストはまだ高いです。
国内では機械化が進んでいるものの、欧米に比べると経費がかかっています。
莫大なコストをかけて育てた木を海外に安売りできているのには理由があります。
その理由というのは補助金で、林業にかかる経費の7割以上は補助金です。
木材の輸出入には様々な問題があるものの、国の積極的な政策もあり林業を取り巻く環境は上向きになっています。

 

 
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