コーター(インド)の木材市場の現況(令和元年・2019)

 

コーターはインドの北西部のラージャスターン州に位置する都市です。チャンバル川の両岸にあり、州の西部にはタール砂漠があります。この砂漠がある前はインダス文明が栄えていました。チャンデーラ朝やプラティハーラ朝、パラマーラ朝といった王朝が興ったインドでも歴史の古い地域です。主な産業は第一次産業で、コーターの名産は木綿や雑穀、小麦やコリアンダーなどです。特に繊維製品に関しては数世紀に渡って名産地として知られてきました。綿や絹の染色技術は非常に高く、現在でも染色職人の分厚いコミュニティがあり、ここで作られた製品は国際的に取引されています。

 

それではインドにおける木材市場の現況を見ていきましょう。インドは急激な工業化と人口増による建築ラッシュが続いています。ムンバイやデリーでは高層ビルの建設が相次ぎ、木材はいくらあっても足らない状況です。ネパールや中国、ベトナムなど木材の輸入が増えていますが、国内の森林を切り崩している状況でもあります。コーターのあるラージャスターン州でも森林の伐採が続いており、インド全体で森林は約3割が減少したと言われています。そうした流れからインド市場は木材の輸出を原則的に禁止しています。

 

インドで流通している木材製品は国産品が大部分です。一方、輸入に関しては1992年の自由化に伴い、輸入が徐々に増加しています。輸入関税が大幅に削減され、原木や製品の輸入が増加しました。国産の資材は森林外樹木が大半を占め、年間生産量は約7500万立方メートルです。2017年の産業用の木材輸入は600万立方メートルとなりました。内訳はパルプや製紙が約27%、製材工場や建具材が約33%です。

 

インドで増え続けている木材への需要と環境保護との両立を図るため、政府は環境保全活動にも力を入れ始めています。ボランティアによる植樹活動はその一環でしょう。これからは経済成長だけでなく、持続可能な開発と自然保護も課題となっています。

 

 
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