クイニョン(ベトナム)の木材市場の現況(令和元年・2019)

 

クイニョンはベトナムの中南部に位置する都市です。ビンディン省の省都であり、11世紀のチャンパ王国の港として栄えました。世界史的には交易の重要な拠点であり、海外からの寄港地として歴史があります。中国・明の伝説的な武将である鄭和(ていわ)の南海遠征で何度も寄港地になっています。また、18世紀のベトナムの王朝である西山朝はクイニョンで即位しました。日本ではキーノンやキノンと呼ばれることもありましたが、これは1940年代に旧日本軍がこの地域に進駐したことによります。

 

それではクイニョンの木材市場の現況を見ていきましょう。クイニョンにはビンディン林産物協会があります。ここは1999年に設立された協会で、ベトナムの4大木材産業関連団体のひとつです。2018年のデータによれば会員数は96社を数え、内訳は家具製造企業が51社、木材供給事業が約10社、ウッドチップ関連が3社、機械関係が約17社となっています。

 

木材市場で扱っているのは主にアカシアやユーカリです。アカシアやユーカリはアウトドア家具の木材が活発に取引されています。クイニョンで生産された家具は非常に人気があり、年間2万2千コンテナが輸出されており、ビンディン省の輸出規模は国内トップ3です。日本企業ともゆかりがあり、ビンディン省内には国内企業の拠点があります。ここには約1万ヘクタールの造林地と約40万ヘクタールの森林があり、ここから港への輸送用鉄道網が敷かれています。ここで伐採や製造されたものは日本に輸出されるほか、台湾向けの製紙やパルプの輸出が盛んです。

 

世界の木材取引といえば中国がリードしていましたが、2010年代に入ってからベトナムの木材供給が急成長を遂げており、主導権は徐々にベトナムへとシフトしていると言います。クイニョンはその重要な拠点として今後も存在感を高めていくでしょう。新技術の導入にも貪欲ですから、さらに高品質な木材の供給としても期待感が高まっています。

 

 
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