ミトー(ベトナム)の木材市場の現況(令和元年・2019)

 

ベトナム最大都市のホーチミン市から約60キロの位置にあるミトーは、メコンデルタ地帯にあるティエンザン省の省都で、面積はおよそ82平方キロメートル、人口はおよそ16万人の都市です。メコン川クルーズの観光地として人気があり、観光用に果樹園や運河などが整備されていることから、ホーチミン市を始めとしたベトナム各地から観光客が訪れます。ミトーは観光都市ではありますが、ホーチミンに近いことから2つの工業団地を有しているため商工業も発展している都市でもあります。現在ベトナムは、世界の120ヶ国の地域に木材や林産物を輸出しており、世界では5位、東南アジアに限定すると1位の輸出量があります。ミトーもホーチミン市に近いことから木材市場も活発で、主にユーカリやアカシアの植林が多く、各地に人工林が見られます。7〜8年ものの木材を伐採しホーチミン市の加工場に陸送された木材は、原木を始めとして木材チップや建具など、国内消費用と輸出用に加工されています。これは総輸出額の17パーセント近くを占めるベトナムの主力輸出商品で、植林や木材ビジネスに従事している少数民族の生計を支えている重要な産業のひとつです。現在、木材に依存した生活を営んでいる住民は1500人から2500人存在すると言われており、その多くが山岳少数民族であることから森林からの林産物に頼る度合いが高いものの、森林の利用権を有しているのは全体のわずか25パーセント前後となっていることから、政府の森林割り当て政策が思うように進んでいないという指摘も見られます。ミトーにおいても森林保護の観点から自然林伐採の一時停止や、天然木材を使った工場の一部閉鎖などが実施されることにより、自然林の木材は違法資源として扱われる場合もあるため、人工林の拡大が木材市場に課せられた大きな命題となっていることが現況です。今後はEU向けの木材輸出が多くなると予想されているため、木材取り扱い事業者に理解しやすい形での市場運営が期待されています。

 

 
トップへ戻る