三重県名張市における木材市場の現況(2019・令和元年)

 

県の約80%が山林の覆われている三重県は、近畿地方を代表する大きな木材市場を三重県名張市に抱えているところです。古くは江戸時代まで遡り、この土地で伐採されたスギを使って江戸城を始めとする国内の有名な城の建築がなされました。そのため、明治初期の頃までは幕府の直轄地として大切に資源を守っていた歴史があります。令和元年の三重県名張市の木材市場の現況は、2018年と比べると約2%の減収益になっています。さらに最も活気づいていた1989年と比べるとその差は31%にもなります。名張市の木材市場で取り扱われているのはスギ・ヒノキ・アカマツの3種類で、すべて三重県の鈴鹿山脈で伐採された木になります。スギに至っては日本の木造建築物には欠かす事ができない材木となっており、全国各地で大規模な宅地開発が進められた1980年代では市場の約80%が国内消費になっていたほどです。その後、各地で巨大地震が相次ぐようになり、木造建設から軽量鉄骨で耐震性の長けている住居の需要が高まったことが市場の規模が縮小していった原因と考えられます。市場が縮小したとはいえ、現況でも年間58万トンもの材木を取り扱っている三重県名張市は近畿最大級の市場と呼ぶことができます。2015年からは国内だけでなく、中国・EU諸国へとスギ・アカマツの2種類を輸出するようになりました。2018年の神戸港税関の報告書を見ると、三重県名張市の木材市場から輸出された材木約15万トンは上海・アムステルダムの大型貨物船で運ばれたことがわかります。輸入先では住居建設ではなく、家具等へと加工する目的で購入されているので輸出量をみると少量になりますが、今後利用価値が高まりを見せればさらに需要は伸びていくことでしょう。令和元年以降の三重県名張市の木材市場の推移は、国内市場は規模を縮小してきますが輸出へ向けた方向転換がなされて、木材の取扱件数は一定数を保っていくと考えられます。

 

 
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