鹿児島県湧水町の木材市場の現況(令和元年 2019)

 

鹿児島県湧水町は県の中央部北端に位置している町で、霧島連峰と九州山脈に囲また盆地状の地形です。総面積は約144平方キロメートルで、そのうちの100平方キロメートルが林野を占めているなど、緑が大変豊かな町となっています。その名前の通り年間を通して途絶えることなく冷水が湧き出ており、日本名水百選に選ばれた丸池は日量約6万トンの水量を誇る湧水池で、地域のほぼ全体の生活水として活用されています。湧水町の産業としては、このきれいで豊かな水を利用した製造業が多く、電子部品やコンダクターなどの精密部品を製造する大手企業の工場の多さが目立ちますが、林業に関しても産業用森林の占める割合が多く、町の重要な産業の一端を担います。湧水町の木材市場ではスギとヒノキの生産量が最も多く全体のほぼ9割以上となっており、残る1割はクヌギやマツなどですが、鹿児島県全体として見ても湧水町同様に生産量のほぼ9割近くがスギとヒノキが独占しています。その双方とも齢級別面積では9齢級の林分が最も多く全体の51パーセント近くになっていますが、若い林分の割合が少なく、高齢級化と資源の充実化に伴って間伐や利用間伐の推進がますます重要な問題となっています。製造される木材は原木が多く、湧水町の属する地域には県森林組合が運営する隼人木材流通センターと、姶良西部森林組合が運営する蒲生木材流通センターの2つの原木木材市場があり、両センターとも取扱い量がわずかながら年々増加しているなど活発な傾向となっているのが現況です。原木以外にはチップや合板などを製造する工場が町内にあり、鹿児島市や隣接する霧島市、宮崎県のえびの市などに製品は搬出されています。現在は森林の多くが利用期を迎えているため湧水町の木材市場は活性化していますが、今後の課題としては伐採終了後の再造林の拡大で、安定して木材を供給するためにも現在の3割程度と低い割合の再造林の拡大が急務となっています。

 

 
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