鹿児島県天城町の木材市場の現況(令和元年 2019)

 

鹿児島県天城町は南西諸島のひとつ・徳之島に位置し、町の産業として木材市場が昭和初め頃から活発に進められてきました。ここで伐採されている木材はアカマツ・スギ・カシの3種類で、国内向けだけでなくカナダ・フランス・オランダにも輸出されているのが特徴です。令和元年の鹿児島県天城町の木材市場の現況は、林野庁が調査を始めた1980年以降の中で最も高い収益率を記録しています。2018年4月現在、天城町で年間約34万トンの木材を取り扱っていますが1980年の時点では5万トンにも満たない数字でした。現在のように木材市場が大きくなった背景には、天城町が率先して貯木場・加工工場を建設したことが要因になっていると考えられます。町をあげて木材市場を大きくした理由は、それまでに目立った産業がなく若い世代が働ける環境もなかったからでした。しかし1984年に町立木材センターを建設して以降は、60歳未満の町民のうち約85%の方々が木材関連施設で働くようになり、大きな町おこしに繋がったといえます。さらに南西諸島の中で木材市場取引所があるのはこの鹿児島県天城町だけなので、他の島からも大量に木材が運び込まれて来るようになって現在に至ります。天城町ではアカマツ・スギは国内向けに出荷をしていますが、カシに至っては約83%がフランス・オランダといった海外輸出用として取り扱われているのが特徴です。現地では住宅建材ではなく、ベッドやタンスといった家具に加工されるのがほとんどで、日本のカシの場合は美しい木目が家具に最適として高い需要があります。令和元年以降の鹿児島県天城町の木材市場の動向を推察すると、今後も海外輸出向けのカシの出荷量は増していくことでしょう。その反対に国内向けの住宅建材になるアカマツやスギは、木造住宅の需要が伸び悩んでいることから、出荷量は今後10年間のうちに約10%ほどは下がって規模が縮小される傾向にあります。

 

 
トップへ戻る