サルメ(エストニア)の木材市場の現況(令和元年 2019)

 

サルメはエストニアの西部にあるサーレマー島の中心都市です。ここでは1500年の中世時代から、造船加工が盛んにおこなわれている土地で現在もサルメ内には5つの造船工場があります。島内ではアカマツ・スギ・ローズウッド・シラカバといった4種類の木を伐採しており、自国で消費するだけでなく日本・アメリカ・カナダ・イギリスへ輸出しているのが特徴です。令和元年のサルメの木材市場の現況は、国内消費の木材が全体の30%に対して輸出が70%と大幅な割合を占めていることがエストニア林業センターの報告書から見て取れます。2018年度の輸出収益は約1200万ユーロで、もっとも大口取引先がアメリカです。アメリカではローズウッドとシラカバは住宅建材として使用されており、1980年以降はカナダからの輸入を取りやめてヨーロッパ各国からの輸入に頼っています。そのうちサロメ産のシラカバは火山灰が堆積した土地で生育したことで、美しい木目と艶を持っていることから高級住宅用の建材として人気があります。古くから林業が栄えたサロメは、村の主要産業を担っているのが木材市場であるといえます。そのため市場自体も村営で、隣接している木材加工場も村が主導しつつ、建設・維持費用はエストニアからの補助金で賄われて今日に至ります。正式に市場と加工場が創業し始めたのは1995年のことであり、アメリカと取引をすることが決まった折りに設置されました。日本は2001年からサルメ産のスギを輸入するようになって、年間約2万トンが東京都の晴海埠頭に貨物船で到着しています。主に住宅建材で使うほか、割り箸や爪楊枝などに加工して流通しています。令和元年以降のサルメの木材市場は、取引国の拡大が今後の収益に関わる重大事項といえます。アメリカの経済は今後は縮小傾向にあるため、建材輸出の縮小も懸念されており住宅需要が高い国を探し出すのが現況をより良くするための課題になるでしょう。

 

 
トップへ戻る