温州市(中国)の木材市場の現況(2019)

温州みかんといえば日本人なら誰でもが知っている有名なみかんの品種ですが、その温州みかんの元となっている地名が中国の温州市です。みかんの産地であるということからわかるように気候が非常に温暖であり、湿度も高く中国南部に位置する、植物の育成に適した地域となっています。昔から自生していたブナやカシの林を伐採してこの地域の人々は輸出品として加工していました。しかし現代になってからはそのような原生の林を切り出すだけではなく、商品として付加価値の高い木材を植樹し、それを管理しながら出荷するようになったのです。中国国内では経済成長が目覚ましいとはいえ、まだまだ農村部では木造の家がほとんどを占めています。そのため木材に対しての需要は常に高く、特に南部で取れるものは質が高いと好評を得ているのです。そんな温州市の木材市場はリーマンショック以降の世界経済の落ち込みにもあまり影響されず、国内シェアを保っています。自然災害や異常気象などが続きやや出荷量は落ちているものの、それでも豊富な水資源や温暖な気候に支えられて豊かな木材資源がこの地域の経済を下支えしているというのが現況です。日本への輸出はそれほど行われていませんが、アメリカとの貿易摩擦の影響で北アメリカ向けの輸出が滞っているという影響もあり、日本でも購入を検討している企業が増えてきています。とはいえ日本も森林資源が豊かな国ですし、中国製ということで悪いイメージを持たれているということもあってなかなか浸透には至っていません。現地の市場関係者は品質検査や安全管理などを徹底し、安全な木材であるということをアピールする活動を地道に行っています。価格は日本の国内産のものより安いため、こうした活動が浸透していけば日本への輸出というものも行われるようになるでしょう。しかし中国国内では建設ラッシュがまだまだ続いており、材木の需要が尽きないため、国外向け販売にシフトするというのはまだまだ先のことであると予想されています。