ハルビン市(中国)の木材市場の現況(2019)

ハルビン市は中国黒竜江省にある人民政府の所在地で、黒竜江省の政治と経済の中心地です。周辺の遼寧省、吉林省と合わせて「東北三省」と呼ばれ、重工業を中心に中国の経済に大きな貢献をしてきましたが未だ北京や上海には遠く及ばず、まだまだ発展の可能性を秘めた地域となっています。ハルビン市の主な産業は鉄鋼や工作機械などの重・軽工業で、市街近郊にはハルビン太平国際空港のほか自動車道も集中しており、交通の要衝でもあります。これらの産業を支える林業も重要な産業のひとつで、ハルビン市周辺では特にブナ科ナラ属の「オーク」の生産量が多いことが特徴です。オークは日本とロシア、中国東北部が主な産地で、耐久性と耐水性に優れ住宅の床材に利用されていますが、世界的に枯渇している木材となっているので、現在のハルビン市木材市場の中核を担う木材として流通しています。ハルビンの木材市場で取り扱うオークは原木が多く世界中から製材会社が買い付けに訪れるため、近年では原木を加工して原版として扱う現地企業も増えてきました。しかし、中国政府の天然林保護計画により、中国東北部のオーク伐採量を大幅に制限しているため輸出量も激減している状況で、更に中国におけるオークの需要増加により輸入量が増加しています。主な輸入先はロシアで、現在では中国国内のオーク消費量のおよそ8割は輸入に頼っているのが実態です。ロシアからの輸入量は累計8517立方メートル、商品価値にするとおよそ1兆2200億円にも達するほどで、ハルビン市が中国最大の輸入集散地となっているため、木材市場の現況としては大いに活性化していると考えて良いでしょう。このような状況の中、ハルビン市周辺の製材工場や木材加工工場で加工されるオーク材は、木材市場を経由して同じ中国の大連市に運ばれ、フローリングや家具の材料として消費されています。少なくなったものの輸出先はアメリカがメインで、続いては日本となっています。