珠海市(中国)の木材市場の現況(2019)

中国の住宅市場は、2008年の北京オリンピックと2010年の上海万博の開催、住宅建設需要の増大と都市化推進政策などの要因で、かなりの規模で推移しています。中国国内の沿岸地域は住民の所得の伸びがめざましいことで知られていて、潜在的な高級志向の強さが付随しているので、高品質な住宅を建設する動きが顕著です。その中でも、木造住宅の需要は年々高まっています。
戸建住宅だけでなく、マンションなどの集合住宅は構造が鉄筋コンクリートであることが多いですが、内装仕上げを木造としたいとの要望が非常に多いです。従来はマンションの引渡しは、スケルトン方式といって構造体と概略仕上げまでの状態で購入者に引き渡しが行われていましたが、近年では内装まで完全に施工を完了して物件を渡すケースが多くなっています。スケルトン方式での引き渡しでも、引き渡し後の購入者側の内装工事を木材を用いて行う例がとても多いです。また、建物だけでなく内部に設置する家具も木工製品とする人がほとんどです。
このように、中国国内での住宅事情に起因する木材需要は巨大なものとなっています。従来は国内で丸太などの材料が自給できましたが、需要の増大と環境問題から起因された伐採削減政策により、国産材の供給量が減って輸入大国に変わりつつあります。木材輸入は広葉樹が多かったのですが、生活の洋式化により針葉樹の需要が高まり、2000年を過ぎた頃から6割以上の輸入が針葉樹となりました。
珠海市は広東省にあり、マカオ特別行政区に隣接する経済特区です。中国内陸各地からの移住が多いところです。国内の木材需要の傾向と同様に、所得の伸びと高品質な住宅の人気の高まりに起因する木材の需要は高まっています。従来は国内だけで賄うことができた木材市場は、輸入時なくしては成り立たなくなっています。2019年についても、これまでの現況と同様に推移して、自給量が輸入量を上回る状態が継続することが予想されます。運搬・加工・販売・建設と、木材に関する業務の規模の伸びが期待できる反面、人手不足が新たな問題となりつつあります。