ポルトガルの木材市場の現況(2019)

ポルトガルはユーラシア大陸の最西端、イベリア半島に位置する国です。EU(ヨーロッパ連合)に加盟しています。
ポルトガルは農業や水産業が盛んな国として知られ、近年は減少が見られるものの、他のEU加盟国と比べると第一次産業に就業する人口の割合が多くなっています。同様に、林業も盛んです。
ポルトガルの林業は、世界の木材市場において強い存在感を放っています。それは、コルクの輸出大国であることが主たる要因です。ポルトガル産のコルクは、現況においては全世界の生産量の約5割を占めています。加工品に至っては、全世界で流通している分の70%以上がポルトガルで製造されています。この世界シェアの高さは、ここ数年大きな変化がありません。
ポルトガルにおいてこれほどコルクの生産が盛んな理由は、いくつかあります。1つは、この国の乾燥した気候が原料であるコルク樫の生育に適していることです。また、加工品に関する高度な製造技術を有していたことも理由の1つに挙げられます。
最も大きな理由は、国を挙げての保護政策です。コルク樫を傷つけたり伐採することは法律で禁止され、さらに森林での新しい建物の建設にも制限が加えられています。植林に際しても木と木の間隔や防火帯の設置などについて細かな規定があります。こうした対策によって、良質なコルクが生み出され続けているのです。
ポルトガルで生産されたコルクは、タイルやシートなどのインテリア関連製品、コースターなどの生活雑貨、断熱材といった多種多様な製品に用いられていますが、最も大きな割合を占めるのはワイン用の栓です。用途別に見た場合、全加工品の約70%がワイン醸造業者によって利用されています。
このワイン用コルクの生産量は、紙パックやペットボトルなどの普及もあって近年は減少傾向にあります。世界自然保護基金は、この需要の低下がポルトガルをはじめとする地中海西部における森林面積の減少につながる可能性があることを報告しています。