ソロモン諸島の木材市場の現況(2019)

ソロモン諸島はニューギニア島の東部に位置する、パプアニューギニアと国境を接する南太平洋の島嶼群で、その数は大小およそ1000の島々から成り立っており、地形が険しい火山島が多いものの高温多湿で森林が多いことが特徴です。資本主義経済の浸透が未だ浅く、自給自足で生活する国民が全体の80パーセント近くにも達していますが、国家財政を維持していくために世界各国からのODA(政府開発援助)を受けながら、豊かな自然を活かした農業と漁業といった一次産業が主要産業となっています。ソロモン諸島における林業は貿易額のうち輸出の4割強を占めている経済の中心で南洋材輸出量は世界第6位の取り扱い量があり、主な輸出先は日本や中国を始めとしたアジア地域とヨーロッパとなっているため、木材市場としては大変活性化しているのが現況です。現在の主要木材はアオギリなどの建材用樹木、ムンゲと呼ばれるカヌー材、オイルパームなどがメインで、2000年には53万6000平方メートルの木材生産量を記録しています。しかし、活性化しているものの計画的な伐採とはほど遠く、もはや「乱伐」といってもよいほどの無計画性で、国際機関や援助供与国、環境保護団体などから持続可能性について警告が発せられており、ソロモン中央銀行の試算によると、このままの伐採と木材生産量が持続すれば2021年には森林資源は枯渇するという危機的な状況です。この背景には自国であるソロモン諸島はもちろんのこと、ソロモン諸島の政府高官を買収して伐採権を格安で売却してもらっているマレーシア系の多国籍企業も大きく関係しています。更に近年では中国企業もソロモン諸島の森林に着目し、合板や家具の材料となるカメレレやグメリナなどの植林を購入し、ベトナムを中心としたアジア地域に向けて販売を開始しました。ソロモン諸島政府では国家開発目的および国家開発戦略策定のため、伐採対象地域の現況把握の取り組みなどの対策を開始しています。