シリアの木材市場の現況(2019)

中東の国シリアといえば、様々な歴史や国に囲まれた紛争地帯としてもよく知られています。近年ではイスラミックステート、ISの勢力の拡大などによってさらに激しい戦渦に巻き込まれており、国の大部分がその被害を受けているのです。この地方では乾燥が強いため住居は木材よりも石材などを使うのが主流ではありますが、そうは言っても戦争の影響で多くの建物や家財、建築などが失われているためその補修のため膨大な木材が必要とされています。シリアは近くにレバノン杉などを産出するレバノンが控えているため、これまでそれほど木材市場として注目はされていませんでした。現在でも内戦の影響が大きく、あまり林業が盛んだとは言えませんが、同時に紛争があるためそれほど森林の伐採などが進んでおらず、木材資源の豊富さという意味では中東の中でもかなり上位だと言えるでしょう。とはいえそれらを整備して伐採し流通させるだけのインフラが現在の状況では整わないということもあって、もっぱら木材の輸入ばかりを行っているというのが現況です。主な輸入先はヨーロッパやトルコなどであり、一部ロシアなどからも杉材を輸入していますが、陸路での輸送はテロリストや反政府軍に止められてしまうということもあり、日用品や医薬品とともに木材も十分な供給がなされていません。そもそも爆撃などを受ける危険のあるシリアでは木材を多く使った建物というのは延焼の危険があるため、しばらく作ることができないという事情もあります。シリア情勢が沈静すれば、この状況も一変し復興のために大量の木材が必要となるため、周辺の木材市場の相場がこれに引きずられることもあるでしょう。紙の原料として、また建材の木材の需要が大きくなる頃にはシリアが平和になっているということですから、そういった需要が生まれるまでにはまだ時間が必要です。良質な杉などの木材も国内には存在しているため、状況の安定化が待たれます。