韓国との木材貿易〜注意点(2018)

日本の林業にとって韓国との木材貿易は以前から重要な位置を占めていましたが、近年の韓国国内における木造住宅の需要の高まりからより質の高い建築資材を求めて日本産の木材に注目が集まり、日本からの輸出は今後ますます拡大する傾向にあります。
2018年2月には韓国最大の住宅資材展示会であるKOREA BUILD 2018が開催されましたが、日本貿易振興機構ジェトロが取りまとめを担当していた日本企業のために用意されていたブースへの出展企業を募集したところ、あっと言う間に定員に達したことからも日本国内の資材メーカー各社がここ数年の韓国の住宅建築ラッシュをビジネスチャンスと見ている象徴的な例となりました。
ここで重要な注意点となるのが、経済産業省貿易管理部が定めている安全保障貿易管理制度の問題です。
同制度は民生用として輸出された貨物が輸出先で軍事利用などの懸念用途に転用される恐れのある品目について規制対象となるものです。
規制対象となる品目には「食品、木材を除く」とされており、前述のような一般的な木造住宅用の資材とするのが利用目的の木材を輸出する範囲であれば現時点で全く問題はありません。
その一方で、一部には日本産の資材と日本の建築会社が持つ独自の技術を利用して現地でモデルルームを建築して展示会を開催しているケースがあります。
ここでもしも輸出先の国内の提携企業に設計図を開示したり、作業員などの人材を雇って施工を実施した場合に技術の提供、あるいは移転と見なされた場合には「技術取引に対する規制」に抵触し輸出規制の対象となる可能性があります。
現時点ではこれらの規制により輸出が差し止めになったような事例はありませんが、上記のいずれも政省令によって規制をかけることが可能なルールになっているため、あらゆる可能性を想定しながら周辺諸国との政治の情勢などを見極めて中長期的な視野に立って事業計画を立てることが大切です。