木材市場、これだけはやってはいけない事

政治が木材市場に介入することで様々な問題が発生します。例えば、アメリカは古くから木材の供給元として国内の市場を支えてきました。所が、最近は隣のカナダ産の低価格な輸入材に押されています。隣接するアメリカ西部のオレゴン州は、アメリカの生産の2割をまかなっていた生産拠点でしたが、生産量はこの20年で半分以下に落ち込んでしまいました。このため、関係を改善するため政府は、木材に20%の高い関税をかけて国内の業者を保護しようとしています。

 

木材市場との関係においては、安い輸入材が高くなれば国内産の木材も結局は高くならざる得ません。輸入関税をかけることで木材の価格に変動が起きてしまうのです。輸入制限処置は、住宅市場に影響を及ぼすことになります。ある住宅メーカーは、3割も安いカナダ産木材を大量に輸入してローコスト住宅を建設していたのです。ところが人手不足の人件費の高騰に加えて木材価格が値上がりしたので、販売価格に転嫁することもできず収益が悪化してきます。このため中堅階級の人々に人気があった住宅の供給ができなくなり、木材の市場も活気をなくしていきます。建築業者は、国内産の高い価格の木材で高級住宅を建設して収益を上げようとします。

 

政治関係が関与することで、住宅の供給が結果的には落ち込むことになるのです。日本の木材市場も、輸入材の供給を減らせばもっと国内で生産される木材が家づくりに使われて価格が安くなると思っている人が多いです。この考え方は、短期的に輸入材を減らすことにつながり関税で問題を解決することにはなりますが、木材市場を冷え込ますことにもつながります。実際に安い輸入材が日本の家づくりを支えていることを認識しないと問題は解決しません。

 

政治の介入で現状を変えようとすると無理が生じます。本来の木材の利用状況を慎重に把握する必要があります。ローコスト住宅が消費者に支持されていることを無視することになると供給が少なくなることを覚悟しなければなりません。