アイルランドの木材市場の現況(2018)

エメラルドの島と称されるアイルランドは、年間を通じて緑の美しい国です。この島は、南側の島の約6分の5がアイルランド共和国、そして残りが英国領北アイルランドとなっていて、温暖なメキシコ湾流と大西洋からの偏西風の影響で、安定型の西岸海洋性気候の特徴があります。夏は涼しく冬はそれほど寒くはならず、地域による気候の差もほとんどありません。アイルランドの森林は現在、およそ60万ヘクタールといわれ、アイルランドの国土の約9%を占めているといわれています。そして、そのうちの約70%が公的所有とされているといった特徴があります。
アイルランド島はかつて植樹され、主にヨーロッパ種から北アメリカ西部のえぞまつやブナノキ、クリたスコットランド松などが植林されました。現在はこれらの森林が多くあります。大規模な植林が行われる前は、巨大なトチノキやナラ、カシやカエデ類などの原生林で覆われていましたが、牧草地や町を建設するために伐採されてしまったことで18世紀初頭ごろにはほとんど消滅してしまいました。そして、1920年には森林面積が全体の1%以下となってしまったため、1950年代から本格的な植林が行われるようになったのです。その後、1980年代にアイルランド林業委員会が設立され、国土の森林の商業利用を管理しています。この国の木材市場の現況として、木材は主に建設用に主に使用されているということが特徴的といえます。また、山や川近くの湖や公園には、個性的な木が多くあることでも知られ、この国の観光業とも大きく結びついています。
この国では年間の降水量が平野で1000ミリ、山岳部では2000ミリとなっており、全体的に木の生育環境がとてもよい状態です。主に木材は建設用に使われますが、間引かれた木材はチップボードや繊維板、ツゲ、そして垣根として人々の生活の中で利用されています。この国では約1万6000人以上の人々が林業部門で雇用され、木は人々の生活に近い存在といえます。