コソボの木材市場の現況(2018)

ヨーロッパのバルカン半島中部の内陸に位置するコソボは、長く続いた紛争などで旧ユーゴスラビア諸国の中でも最も開発が遅れた地域であり、未だ隣国セルビアなどからの援助に依存しているため自律的な経済構造を有していません。現在の主要産業は小規模農業と観光業ですが、今後の経済発展のポイントとなるのが木材と言われています。山岳地帯には多くの森林がありますが、現時点では交通機関が整備されておらず道路は舗装されていないのが現状であるため、木材も輸入に頼っており木材市場は活性化していません。しかし、独立後の10年間でコソボの多くの木材会社が規模を拡大しています。その理由は、西ヨーロッパ諸国と比較してコソボは木材加工の製造コストがおよそ2割程度安いことが挙げられます。ところが、現在のコソボでも各国の木材市場へのアクセスが限られていることから、なかなか輸入を増やすことができないため、自国での木材市場の充実が急務とされています。コソボは夏の最高気温が約30度、冬の平均気温はマイナス5度と大陸性の気候であるため、家具や内装部分の材料として用いられる「ラブルナム」の生育に適しています。市場にはほとんど流通していない木材ですが、材質が硬いためフォークやスプーンなどの道具としても需要があります。コソボはおよそ1万1千平方キロメートルと日本の岐阜県とほぼ同じ面積のほとんどが森林でありながら、1ヘクタール当たりの森林蓄積量がヨーロッパの中でも群を抜いて広大となっています。森林及び交通機関の整備によって木材市場が活性化すれば現在の高い失業率の改善にも繋がることから、スイスによる支援を受けて木材見本市へのコソボ企業3社の参加を可能にするなど、近隣諸国の支援によって徐々に木材市場も明るい見通しになってきているのが現況です。コソボの木材市場には、ヨーロッパが産地となっているオウシュウアカマツやスプルース、ラブルナムの取り扱いが期待されています。