モルドバの木材市場の現況(2018)

東ヨーロッパの中部にあるモルドバは、東はウクライナと国境を接し西側にはルーマニアがあります。林業国としては東ヨーロッパと中部ヨーロッパの中で最も小規模と言われており、木材市場においては周辺12か国と共にCIS諸国という単位で現況が考察されます。モルドバを含むCIS諸国とロシアにおいての針葉樹製材の消費量が2015年以降に通貨の下落や経済の低迷によって減少傾向となり、それが続いている現況となっています。モルドバの森林は国有となっていることから、85パーセントを国が管理し15パーセントが自治体などの管理下に置かれています。国内での木材生産量のうち大半は薪ストーブなどに使われる薪炭用で木材加工業のほとんどが国有です。紙やパルプ製品はロシアからの輸入に頼っているというのもモルドバの現況です。国内で森林政策の策定や実施を行っているのはMoldsilvaという中央行政機関で、MENRこと環境天然資源省の中にあります。かつてMoldsilvaは国の財政で運営されていましたが、現在ではほとんどが自主財源となりました。MENRの下で森林保護や利用に関する全体的な役割を担っていますが、慢性的な人材不足から管理が行き届かない面があると言われます。モルドバでは憲法に森林が環境保全のために重要な役割を有していることを明記し、いくつかの法制度によって森林に様々な規制を行っています。経済林は存在せず、全体が自然保全機能を有した森林です。モルドバの森林でみられる主な樹種は広葉樹でアカマツとナラが30パーセントずつ、カエデやブナもあり針葉樹は少ないながらもマツとトウヒがみられます。2000年初頭から森林は拡大傾向にあり全体的に中若齢林が多く、主に国土の中央部付近が森林地帯です。モルドバの木材市場はCIS諸国とロシアの動向で大きく左右される面があり、全体的に輸出量が減少傾向となっていることから今後もその現況が続くと考えられています。